結論

健康経営がうまくいかない理由は、制度が足りないからではありません。
制度を“使う側の状態”が整っていないからです。

多くの企業が、真面目に健康経営に取り組んでいます。

  • 健康診断の充実
  • ストレスチェック
  • 研修やセミナー
  • 福利厚生の拡充

それでも、こう感じていないでしょうか。

「やっているのに、現場が変わらない」
「数字や離職に結びついている気がしない」

それは、珍しいことではありません。


制度が機能しないのは「失敗」ではない

まず押さえておきたい、大切なことは、

制度が機能しない=失敗
ではありません。

むしろそれは、
制度の限界が正しく表れている状態です。

制度はあくまで「器」。
器があっても、中身が整っていなければ
本来の力は発揮されません。


健康経営が制度止まりになる理由

多くの企業で見られる共通点があります。

① 健康が「業務の外側」に置かれている

  • 忙しい時は後回し
  • 余裕がある時だけ実施
  • 本業とは別枠扱い

この状態では、
健康は“あったらいいもの”止まりになります。


② 心・身体・組織が分断されている

  • 身体の健康 → 健診や運動
  • メンタル → ストレスチェック
  • 組織 → 人事制度

バラバラに扱われると、
人はどこでどう変わればいいのか分からなくなります。


③ 「正解」を押し付けてしまっている

  • 運動しなさい
  • 早く寝なさい
  • ストレスを減らしなさい

正論ですが、
人は正論では動きません。

選べない健康は、続かないのです。


健康は「整えるもの」ではなく「育つもの」

ここで視点を変えてみましょう。

健康は、

  • 管理するもの
  • コントロールするもの

ではありません。

人と組織が、自分で育っていくものです。

そのために必要なのは、

  • 安心して話せる関係性
  • 選択できる余白
  • 自分で決めていいという感覚

制度は、それを支える“環境”であって、
主役ではありません。


ホリスティック健康経営が見る「全体」

EnLinksが大切にしているのは、
健康を「部分」ではなく
全体のシステムとして捉えることです。

  • 心の状態
  • 身体の状態
  • 人間関係
  • 組織風土
  • 働き方
  • 経営者の在り方

これらはすべて、
影響し合い、循環しています。

制度だけを変えても、
循環そのものが変わらなければ、結果は限定的です。


制度が“生き始める”瞬間

では、健康経営はいつ機能し始めるのでしょうか。

それは、

  • 経営者が健康を「経営の言葉」で語り
  • 現場が「自分たちの選択」として受け取り
  • 小さな変化が認められ、育てられる

この循環が生まれたときです。

制度は
押し付けるものから、支えるものへ
役割を変えます。


まず見直すべきは「制度」ではない

健康経営を次の段階へ進めたいなら、
最初に見直すべきは制度ではありません。

  • 経営者自身の健康観
  • 組織のコミュニケーション
  • 安心して選べる空気があるか

ここが整い始めたとき、
制度は初めて“意味を持つツール”になります。


🌿制度を足す前に、全体を見てみませんか

もし今、

「何を追加すればいいのか分からない」
「これ以上制度を増やしたくない」

そう感じているなら、
それは正しい違和感です。

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次回予告|第4話

心・身体・組織は、ひとつのシステムである
― ホリスティックという考え方の核心に入ります。