仕事をしていると、
私たちは思っている以上に多くの「判断」をしています。
決める。
選ぶ。
優先順位をつける。
進むか、止まるか。
一つひとつは小さな判断でも、
それが一日中、積み重なっていきます。
判断力は、疲労とともに削られていく
判断力は、
意志の強さや能力だけで決まるものではありません。
むしろ、
その人がどんな状態にあるかに、大きく影響されます。
忙しさが続くと、人は次第に
・早く決めること
・間違えないこと
・正解に近いこと
を優先するようになります。
その結果、
判断はできているのに、
どこか納得感が薄い。
あとから「本当にこれでよかったのか」と
引っかかりが残る。
これは判断力が落ちたというより、
判断するための余白が失われている状態です。
休んでも戻らないものがある
多くの人は、
「疲れたら休めばいい」と考えます。
もちろん、睡眠や休息は欠かせません。
身体の回復がなければ、次には進めない。
ただ、
しっかり休んだはずなのに、
判断の重さや迷いが残ることがあります。
それは、
身体は回復しても、
判断を支える状態が整っていないからです。
判断力は「身体の状態」に影響される
判断力は、情報処理の速さだけで成り立つものではありません。
身体感覚や情動(ストレス状態)に強く影響されるものです。
同じ情報を前にしても、
呼吸が浅く、身体が緊張しているときには、
判断は「早く終わらせる」「無難にまとめる」方向へ寄りやすくなります。
逆に、
少し落ち着いていて、
身体の緊張がほどけているときには、
「いま決めなくてもいい」
「別の選択肢もある」
という余白が自然と生まれます。
つまり判断力は、
情報処理だけで完結するものではなく、
その人の状態(身体・感情・緊張)とセットで働くものだと言えます。
忙しさが続くと、この状態調整が後回しになり、
判断は次第に「頭だけの作業」になっていきます。
ウェルネスツーリズムがつくる「判断しない時間」
ウェルネスツーリズムでは、
あえて「判断しなくていい時間」を設計します。
何を選ぶか。
どう決めるか。
成果につながるか。
そうした問いから一度距離を取り、
・ゆっくり歩く
・人の話を聞く
・手を動かす
・土地のリズムに身を置く
判断を求められない時間を過ごします。
すると、
頭が休むだけでなく、
身体の緊張がゆるみ、
呼吸が自然と深くなっていきます。
この状態になってはじめて、
判断力が本来の形で立ち上がってくる。
余白とは「止まること」ではない
余白という言葉から、
何もしないこと、動かないことを
想像するかもしれません。
でも、ここで言う余白とは、
止まることではなく、選べる状態に戻ることです。
急がなくてもいい。
今は決めなくてもいい。
別の選択肢も見えている。
この感覚があるだけで、
判断の質は大きく変わります。
働く人にとってのウェルネスツーリズム
ウェルネスツーリズムは、
働く人を変えるためのものではありません。
その人が、
自分の判断を、自分で引き受けられる状態に
戻るための時間です。
誰かの正解に合わせるのではなく、
自分の状態を感じ取りながら決めていく。
その前提を整えることで、
仕事も、日常も、
無理なく続いていく。
判断力が戻ると、
仕事は軽くなります。
楽になるというより、
納得して進めるようになる。
ウェルネスツーリズムが提供しているのは、
そのための「余白」なのだと考えています。
次回は、
この「個人の状態の変化」が、
経営や組織にどのように波及していくのかを整理します。
